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悠結は臨時リーダーとして、遊撃隊と怪我人の条約を結ぶ。
「ミカの治療が終わるまで、麻里亜さんたちを攻撃しないと誓います」
生体管理局の篠絵派は遊撃隊の新造艦を攻撃することはない。篠絵や仄香とは勝手に戦っていい。
「条約って無意味かもね」
しばらくは航空電脳戦をする。
車両電脳戦の怪我人も回復待ちだし、篠絵派と戦うにはまだ戦力不足でスカウトしないといけない。
時埜は悠結を誘って映画館に来ている。
原始イプシロイアの敗戦は時埜が決定付けた。
入場券タダでも悠結の視線が冷たい。
「やっぱり前回は手を抜いていたのね。そんなに篠絵派と遊撃隊の均衡を図りたい?」
「時空移動を勝手にしている2勢力……しかも荒らし放題。時空管理局として特に強い方は成敗しないと示しがつきません」
1戦電脳戦をしたのは遊撃隊のためではなかった。時埜の意思だ。
「でも、管理局としては結末は分かっているよね」
「ええ」
映画は終わり、エンディングロールを2人で見つめる。
ハッピーエンドなのに時埜が何故か泣いていて、悠結は周囲の視線が痛い。
「泣き女じゃないんだから」
悠結はハンカチを差し出す。
「そのうちわたしたちが戦うことになるのかな? 時埜の手にかかるのかな?」
他人事のように呟いてみせた。
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