序章

1/1
49人が本棚に入れています
本棚に追加
/1997ページ

序章

84f2741d-25b6-470f-b994-66baca7a2aa3  メイオールIIの惑星κ<カッパ>には防衛艦隊が存在する。 「ドゥラセイロ提督、付近に異常がないか探査してくれ」 総督にそう通信された3番艦の提督が、ソナーに目を通す。 「異常はありません」 付近にカモフラージュされた艦隊がいるという情報が入っている。 だが、見当たらない。光学迷彩、重力レンズステルスなのかは分からない。 「ダークゴーストも、ぼんやりとも見えない技術レベルになったな」 1番艦の総督は、ないものを視る力がある。 予測通りに熱源モニターが、飛翔体(ミサイル)を確認する。 「何をしている! チャフの準備をさせろ!」 3番艦の通信がプッツリと途絶える。 衝撃音がすぐしたので、手前で爆発させる電子機器障害を狙った攻撃だったようだ。  相手の通信が割り込んでくる。 「わたしは海老原遊撃隊2番艦の可児村晴香。レアメタル船は頂いたよー」 ダークゴーストを解除した敵戦艦が、護衛していた商船を曳航(えいこう)していくのを目にする。 c1ef5ef1-7d42-4b49-8342-9b44da795373 追撃はしない。繋がらない通信の再開を優先させる。 味方は何かの手段で機能停止している。保護をしなければならなかった。
/1997ページ

最初のコメントを投稿しよう!