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「あの世との接触」
〇江戸全域(夜)
寝静まる市街
厳かな空気の中
除夜の鐘の音が鳴り
新年を迎える
〇浅草奥山 路地(夜)
見世物小屋が多く立ち並ぶ
普段なら賑やかだが軒並み閉店
戸を閉め明かりも無く人気も無い
トボトボと歩く辰吉
辰吉「ったく何でぇ。
どこもかしこも締まってやがる。
しかし、こう何だな
(見回す)
慣れ親しんでいる遊び場も
人が居なくなると
様変わりするモンなんだな」
不気味に静まる路地
耐えきれぬ辰吉
大きな独り言を放つ
辰吉「あーあ!
せっかく上客が来たってのになあ!
大判小判をばら撒きたい気分だな!」
すると路地の向こう側から足音
辰吉「おっ!御妾宅の帰りか?」
お互い提灯は持っていないが
徐々に姿は見える
その光景に驚く辰吉
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