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「まじ最低。リビングでましてやコタツでするなんて」といいつつ、俺にもたれながら口をとがらすだけの倫太郎。
あぁ……こんな可愛い恋人を間近で見たらまたヤリタクナッチャウ。
『かっこいい自分を見せたくば耐えるのじゃ』
耳に届くは自制の神か。
「なぁ、聞いてる?」
トロンとした目付きで視線を上げる倫太郎をこのまま抱かずに居られる?
顔を背けて肩を持ち「ところで、泊まりになるなら俺も連れてけよな」
「はい?」
自制の神が話題を引き戻してくれた。そうだ。クリスマスはゲレンデで二人で過ごせばいいんだ。
突然閃いた俺の考えは倫太郎には秘密にしておこう。
「相良に連絡しといてね?参加者追加で」
「は?お、おい」
「あ、スキー場は?」
「え、っと……白馬の方の……」
「わかった♡」
これ以上恋人の肌に触れてたらそのままインしてしまう危険を恐れ、キッチンに向かい夕飯の支度を始めた。
倫太郎は渋々友人に連絡を入れているようだった。
***
翌日。
まだ寝ている倫太郎を残してそっと寝室を離れた。
「さむっ」
まだ日が昇っていない時間。ストーブをつけて足元に向ける。
タバコの箱に手を伸ばしかけた所で、倫太郎が誕生日に買ってくれた電子タバコが目に止まった。
『部屋で吸いたいならこれにすれば』といいながらさりげなくラッピングされた箱を渡されたっけ。
「ふっ」思い出し笑いをしてしまい我に返る。電子タバコに手を伸ばし返しながら、パソコンを立ち上げネットで検索をかける。
・白馬
・泊まるところ
・朝食付き
すぐにたくさんの検索がヒットする。
「さぁて。どこにしようかなぁ。相良には悪いが上手い事騙して倫太郎と二人になれるようにしないとな」
夏は緑に冬は雪に囲まれたコテージやペンションが多い。
「まぁ、そうだよな……おっ♡」
良さげなコテージを見つけ、詳細をチェックし電話番号を控えた所で寝室のドアが閉まる音が聞こえ、急いでパソコンを閉じた。
「おはよ早いね。どした?」
「恭平が居なくなったから、布団が寒くて目が覚めた」
眠たそうに目を擦りながらリビングに顔を出した倫太郎の第一声が可愛すぎて、朝からハグしてキスして押し倒してしまった。
「っとに最低だな。年中盛ってんなよ」
「倫太郎が可愛いこと言うからね。倫太郎スノボーやれるの?」
「まぁ、人並みには。そう言う恭平はスノボーやれんの?」
「あはは~」
笑って誤魔化しその場をやり過ごした。
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