3#白い世界の正体

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 何でこんなとこに木が?!  「ん~~~んんんん・・・私まだ冬籠もりしてるんのに・・・」  僕の頭の上で、誰かが話をしている・・・?はい、どなた!?  「きーーーーっ!!穴持たずのクマだーーーー!!」  頭の上で叫び声がしたと思ったら、そそくさと木に飛び移って大急ぎで木の上にしがみついて駆け上がっていった。  リスだ・・・  ごめん!!リスさん・・・  えっ?!ちょっと待った!!  あのリスさん。『冬籠もり』って言ったよね?!  ということは・・・  この白い世界は、雪が降って?  それにしても・・・  ぶるぶるぶるぶるぶるぶる!!  ハーーークション!!  寒いいいいいい!!  僕せっかちだから、冬眠早く起きすぎたんだーー!!  僕は急いで自分の巣穴に戻って、寝直した。  ええいっ!!冬眠のやり直しだ・・・  ぐーーーーー・・・  ぐーーーーー・・・  ぐーーーーー・・・  ぐーーーーー・・・  ・・・・・・  ・・・・・・  ばぁーーーーーーん!!  ぐおっ!!  僕は、大きくなりすぎてパンクした鼻提灯の破裂音にビックリして目が覚めた。  目が覚めてふと思った。  もし、また外が白い世界だったら・・・  僕は恐る恐る巣穴の外へ歩いた。  巣穴の外から、暖かい風が・・・  春だ!!正真正銘の春だ!!  僕は巣穴を飛び出して、緑とカラフルな花溢れる春の世界へ喜び勇んで駆けていった。  おはよう!!皆!!  冬眠から目覚めたツキノワグマのクータだよ!!    ~白い世界にひとり~  ~fin~
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