1#目覚めたら、白い世界

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 僕が目覚めたら、白い世界が拡がっていた。  どこまでも白い。  どこまでも白い。  そして、どこまでも白い。  全部真っ白!!  何なんだよ・・・ここは?  僕は鼻を白い世界に突き出して、くんかくんかと辺りの匂いを嗅いだ。  くんか、くんか、くんか、くんか、くんか。  何も匂いはしないなあ。  ただ、冷気が鼻の孔の中に入って・・・  はっくしょん!!  寒っ!!  何なんだよここは?  僕は、恐る恐る巣穴から抜け出してこの全く白しかない、あたかも白が支配するこの『白い世界』に立った。  きゅっ!きゅっ!きゅっ!きゅっ!  脚の爪が、脚の肉球が、この白い世界に漂う冷気を感じとる。  つめたぁっ!!  僕は思わず叫んだ。  ぶわっ!!  その叫びが、白い湯気になって口から飛び出してきた。  んん?!  ふぅーーーーっ!!  ぶわーっ!!  うわーっ!おもしろい!!  僕の吐き出す吐息が、湯気になって飛び出してきた。  湯気は、はらりはらりと舞い上がると、この白い世界の上空へ溶け込んでいった。  よーし!!今度はもーーっとでっかい湯気を。  ふぅーーーーーーーーーーっ!!  僕は深く辺りの冷気を吸い込むと、身体中の空気を絞り出すように、口や鼻から吐息を吐き出した。  もわ~~~~~~~~ん・・・  大きな湯気は、これもまた豪快に舞い上がると、白い世界の上空へ溶け込んでいった。  ぜえ・・・ぜえ・・・肺が疲れた。  本当、何なんだよここ一帯が全部真っ白だよ。
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