ましゅまろ

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 俺はマシュマロが大好きだ。いつまでも味わっていたいと思うほど。  何気なく立ち寄ったカフェでも、メニューを見て迷わずマシュマロホットチョコレートを頼んだ。  喉に通すと、ドロリと熱いとろみが広がる。 「甘くないの?」  込み始めた昼下がりのカフェ。俺の持つカップを正面から見上げて首をひねるのは、まだ小学校低学年の息子だ。  ああ、可愛い。ぱっちり大きな二重の瞳も、目に入りそうなほど長いまつ毛も、透明感のある真っ白な頬も、眺めるだけで癒される。  うまいこと俺の遺伝子を跳ね除け、超絶可愛い妻の美貌をそっくり受け継いだこの子のことが、俺は愛しくて堪らない。 「甘いよ。真白(ましろ)も飲んでみる?」 「……ちょっとだけ」  俺が差し出したカップに口をつける息子。しかしすぐに離れた顔は、綺麗な眉を歪ませていた。 「お父さん、よく飲めるね。こんな甘いの」 「お父さんは甘いのが好きだからなぁ」 「ふーん……僕、好きじゃない」  そう言う息子が口に運んだのは、自分が注文したホットティー。ミルクも砂糖も入れてない。デザートやフルーツも滅多に食べない息子は甘いものより苦いものの方が好きなのだ。
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