キミとアイツの白(ショートショート)

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 目が覚めたら…… 「むむ……白の……えっ、何? それ」  キョトンとしているヒロに、レイコが、 「えへへへ……私のパンツ」 「って……どういう意味なん?」 「おキライ?」 「んな訳、ないでしょー」 「このスケベー」  レイコはヒロの顔に被せると、向こうへ。  いい匂いだ……って、言ったら、 「超ドスケベー!」  って言うからやめた。 「さー、早く食べて。ご飯」 「そーそー、これから映画に行くのだ」  ヒロは起き上がると、テーブルに向かった。 「ヒロの大好きな、オムライスだよー」 「ちなみに、映画のタイトル、何だった?」 「『目が覚めたら白い街』じゃん」 「美味い、美味い……やっぱりレイコは上手い」  ここは、東京都足立区にあるGコーポの一室だ。  ハイキングにでも行きたくなる、実に良い天気だった。 「さー、早く行かないと、映画が始まっちゃうわよー」 「分かってるけどさ……ヒゲくらい剃って行かないと……」 「もー、見えるトコだけよ」 「了解、了解……」  レイコは、先に玄関に向かった。  すると、その時、地震が起きた。 「キャー!」  しかし、すぐに治まった。ヒロは、 「震度を見たいから、テレビをつけよう」 「えー?」
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