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「そこから?」
「ああ、そこから」
本当に? 賢二は基本慌てず無難に何でもこなし、決めたことはしっかりやり通す意思の強い人。それは小さな頃からそうだった。
じぃっと見つめられ、これは本気で言っている顔だとわかってしまうのは良いのか悪いのか。
うぬぬぬぅと葛藤し、結局折れるしかないと口を開くのも長い付き合いのせいだ。
「…………賢二の好きな人って誰?」
ああ、恥ずかしい。死ねる。答えわかってるのに聞くって羞恥プレイかっ!!
真っ赤にしながら聞く咲良の顔を堪能するかのようにじっと見ていた賢二は、ふっと笑いさらに質問をしてくる。
「咲良だよ。咲良は俺にどうして欲しい? 幼馴染み? 恋人?」
「……恋人」
何、この時間。もう恥ずかしすぎてうきゃぁって叫び出したい。
「はい、よく言えました」
ほんと、何なの? 悶え死にそう。
クールだと思ってたけど、ちょっといじめっ子体質というか何というか。初めて知った一面を見てもやっぱり好きで。
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