ちかすぎて

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 今はしないと言った賢二は有言実行のはずだ。 なら、と咲良はまた賢二のたくましい胸にぐりぐりと頭を擦りつけた。  真っ白だと思っていた思いはたくさんの足跡が付けられて、手の平でころころ撫で転がされているような気もする。  近くにいて見えていたこと、ちかすぎて見えなかったこと。それらが混ざっていろんな思いで濁っていくけれど……。    やっぱり、彼が、好き。
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