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「何で返さないんだよ」
「……何を?」
「ライン」
「……ああ、ごめん。昨日疲れてたから、また後で見る」
「いい。今から咲良の部屋にいく」
「それはダメでしょう」
「何で?」
「いや、女子の部屋です」
それにあんたは彼女ができたばかり。
「咲良の部屋だろ」
「だから女子だってば」
「意味わかんねえ。とりあえず行くから待ってろ」
「だから、来ないでって」
そう言っているのに、賢二は無視して白い雪に足跡をつけながらこっちにやってきた。そして、インターホンの音がしてそれに対応した母とやりとりをしているのが聞こえてくる。
「咲良まだ部屋だから。勝手に上がって〜」
「お邪魔します」
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