VOICE

1/2
前へ
/49ページ
次へ

VOICE

小さなそのてのひらで 何を掴もうとしているの 円らなそのひとみで これから何を見つけるのだろう まだ歩くことさえも慣れてなくて 走ったらすぐに転ぶその足で これからどんな旅路を行くのだろう 未来はまだ決められてはいない きみの未来はきみ次第 泣きたい時は泣いて 心の声は誰にも聴こえない 苦しい時は助けを呼んで 心の中は誰にも覗けない 今のきみの幼さは きみを護るために与えられたもの 教えてあげよう 赤ん坊や子供がまるくてかわいいのは 強い者に護ってもらうため だから怖い時は叫べばいい そしたらきっと強いものが助けてくれる だから諦めないで叫ぶんだ そしていつか知るのさ この世界に人が望んでいるような神は存在しないと そして 人を傷付けるのは人であるように 人を救うのもまた 人であるということを              ▶
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加