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「あら、沙都!帰ってたの?
祐介くん、一緒じゃなかったの?」
母が私を見て、話しかけてきた。
「……。」
「喧嘩でもした?」
「してない。」
「後少ししか一緒にいられないのに。喧嘩してる場合じゃ無いでしょ?ほんとにもうっ。」
後少し……。
あぁ、やっちゃった、本当に後少しなのに。
祐ちゃん…、ごめん。
だって、あのぬいぐるみが…まるで私に見えちゃったんだもん、置いて行かれるって…。
グスッ、ヒック…グスン。
「沙都、あんた泣いてるの?」
ピンポーン♪
母が私に声を掛けた瞬間、タイミングよくインターホンが鳴った。
「あら?誰かしら、はーい!」
グスッ、グスン、ヒック、悲しい…
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