黒い呪術士

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「誰かーっ!」 「はいよ」 馬車の前に到着、結構足が速いみたい。 あれ? 何この空気感。 「お爺さん危ない!どこから....」 おお!何かキュートな女子じゃないかっ! これは張り切っちゃうかも。 「ナンダ?ジジイ」 うわ、ゴブリン喋った。 「喋んなキモっ!それに臭いぞ」 「ナンダト?ジジイ、ホットイテモスグニシニソウダガ、オレガコロシテヤル」 そういえば何で言葉が通じるんだろ? まいっか。 さてここで問題です。 とっても大きな問題ですよ。 俺はこの2メートルくらいある役職ゴブリンとどのように戦えば良いのでしょうか? 更に子分も10匹くらいいるんですが.... 「お爺さん!逃げて!逃げて下さい!」 おお.... キュートな女子にそんな台詞を言わせてはいけないぜ。 「オマエタチ、イケ」 役職が部下に業務命令。 ていうか、さっきから聞こえてる音楽がでかくなったんだけど。 あれ? あれれ? この曲知ってる! 何か溢れる力を感じる。 「キーッ!」 目の前にゴブリン数匹。 そいつらの胸を目掛けて手刀が勝手に炸裂。 これはっ! 「黒い呪術士、アブドーラ・ザ・ブッチャーの地獄突きだ....」 流れていた曲はピンク・フロイドの『吹けよ風、呼べよ嵐』 ブッチャーの入場テーマ曲だ。 ブッチャーは悪役レスラーだけど強かったよなあ.... んで身が軽いんだ。 地獄突きはゴブリンの胸を貫通して後ろにいた奴等も纏めて吹き飛ばした。 いや、地獄突きってここまでの威力は.... 「コ、コノジジイ!コロシテヤル!」 来ました役職。
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