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マギーの父親は以前、冒険者をしていた。
ランクはC、いわぱ中の中でそれほどの実績があるわけでもなく、薬草採取やパーティーを組んでの護衛や魔物討伐などで生計を立てていた。
ある日、いつもの薬草採取で森に入ると怪我を負った冒険者風の女性が倒れているのを発見した。
どうやら毒性の魔物に襲われたようで高熱も発している。
このままでは危ないと感じたマギーの父親は女性を背負い近くの村に向かった。
もう少しで森を抜けるという所で後ろから聞こえる唸り声。
振り返るとそこにはハンガーと呼ばれている狼の魔物が2頭、今にも飛び掛かりそうな体勢でじわじわと近づいてきた。
ハンガー1頭ならCランクでも何とか撃退はできる。
しかし、2頭となると話は別だ。
連携して狩りを行う頭脳を持つ2頭のハンガーをCランク冒険者が迎え撃つのは無謀以外の何者でもない。
見ず知らずの怪我人を囮にして逃げ出す事も珍しくはない場面だ。
だが、マギーの父親は勇気を振り絞る。
高熱で意識もない女性を大木の前に下ろし、その前方で剣を構える。
脚は恐怖と緊張で震える。
それを見切ったかのように左右から同時に飛びかかるハンガー。
だがハンガーたちもこのCランク冒険者をなめてかかり過ぎていた。
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