闘魂三銃士

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「お母さん、魔族だったんです」 マギーの母親は魔族だったが、容姿は人間のそれだった。 もちろん父親は知らない事だった。 魔族の中でも強者と弱者が存在する。 力量だけならマギーの母親は後者に過ぎない。 しかし彼女は魔族の中でも少ない魔眼持ちだった為に、それなりの要職についていた。 だが彼女は平和主義者でもある為に、人間との争いには否定的だった。 そして魔界を出る事を決意し、人間界へ降りた直後に魔物に襲われるごとになる。 「私が生まれる前にお母さんがお父さんに真実を話したんです」 マギーの父親も最初は驚いたが、妻が魔族と知っても気持ちは変わらなかった。 魔族と人間と亜人も、どこにも優劣の線を引く事は出来ないと彼は考えていた。 二人は農民となり、やがてマギーが生まれ貧しいながらも幸せな日々を過ごしていた。 だが、国中に魔物が溢れ出るようになると それまでの暮らしが一変した。 幸いにもマギーの村には魔物は現れなかったが、常に恐怖に怯える毎日だ。 そして、マギーの一家に更なる不幸が襲いかかる。
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