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「私がまだ小さかった頃、お母さんがある日突然出ていってしまったんです」
出来上がった昼食。
綺麗にたたまれた洗濯物。
しかし、家の中にも畑にもその姿はなかった。
近所に訊ねても誰も彼女の姿を見てはいない。
嫌な胸騒ぎがマギーの父親を襲った。
小さいマギーを近所に預けて森の中に入って行く。
どれくらい歩いただろうか、鬱蒼とした木々により森は昼間でも暗く、慣れた人間でも迷いそうになるほどだった。
誰かが倒れているのが遠目に確認出来た。
見覚えのある服....
途中、躓きながらも夢中で駆け寄る。
そこにいたのは紛れもなく自分の妻だった。
外傷は見当たらない。
眠っているように....
事切れていた。
「お父さんはお母さんを背負って村に戻り、自分の手で埋葬しました」
小さかったマギーには何が起きたのか、何故母親が眠ったままなのか、何故父親が泣きながら母親に別れを告げているのか理解出来ずにいた。
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