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「魄だけでは済ませんぞ!貴様らは外のオークどもの餌にしてやるからなっ!」
「やだ、こわーい」
ちょっと体をクネクネさせてみた。
「師匠....」
呆れた顔で俺を見るな。
「妖術、魄抜」
妖狐がそう唱えると、周囲の景色が歪み始める。
「う....」
「これは....」
思わず膝をつく。
「何か気持ち悪い....」
「ふははっ!苦しめっ!じわじわと魄を抜き取ってやる」
「き、聞いて良いか....」
「何だ?冥土の土産に教えてやるぞ」
「は、魄って何だ?魂と違うのか?」
だって知らないもの。
「何を....待て、何故魄が抜けない....」
あらら、やっと気づいたか。
「いやあ、マジで気持ち悪かった....すっかり車酔い気分だ」
「貴様....何ともないのか?」
「あ?誰がおまえみたいなセコい狐に騙されるかよ」
『生活魔法、保管』
言わば完璧な金庫。
体内の金庫に魄をしまったんだよ。
核にも耐えるナビの自信作だぜ。
「んじゃついでに....生活魔法、瞬間冷凍」
「なっ....」
はい、冷凍庫ならぬ冷凍狐の出来上がり。
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