黒い呪術士

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「ていうか、記憶が改ざんされたからって何の問題が?」 『はい、あなたは今から数多の魔物などと戦って行かなければならないのですが』 「ちょっと待て」 『何か?』 「いや....俺は異世界でのんびりスローライフしたいんだが」 『その歳でスローライフとは....』 「んで、時々....たまに....稀に現れる微妙な強さの魔物を退けるくらいが希望」 『スローライフも微妙な強さの魔物も無理ですね』 結構冷たい.... しかもツンデレのデレがないから、ただのツンツン娘だな。 『私は冷たくはありませんよ?』 人の心を読むとは.... 『いえ、声に出してましたけど』 「ありゃりゃ」 『話を戻しますが、あなたがこれから向かう世界は決して平和とは言えません』 「それって....その世界を作った神様が何らかの邪悪な力に寄って封印され、神の加護がなくなってしまった大地には魔物が溢れ、このままでは人類が滅亡してしまうと予見した王様が異世界から勇者を召喚しようとしたが、それだけの魔力を持つ魔導師が見つからず困り果てていたのを偶然見た女神様とバッチリ目が合ってラッキー、女神様はアンラッキーで仕方ないから適当な奴を探していたら丁度俺が死んだから、あ、これでいいかもーって感じっすか?」 『....正解』 マジか。
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