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新人に手を焼く
「先輩!俺の奥さんすごいかわいいからさぁ困るんすよー」
「は?なんだよのろけかよ」
アルバイト河西はおしゃべりばかり。
「だってね、ナンパされてたんすよね~プール行ったときだってさ!」
「冬にプール?」
「俺ね、泳ぐの超得意なんすよ!すごいっしょ?」
「へー河西の特技は水泳なのか?」
「そーっす!」
ものすごい喜んだ。こいつ身体能力は高いんだな。
「先輩!奥さんをナンパから守るのはどうしたらいーんすか?」
「そりゃ、睨んどけよ」
「俺頑張ったんすけどね、難しい!で、友達の先人がね、がんとばしたっす!てめーこらーってさ!」
「誰だそれ?ヤンキーか?」
「違ってー友達っす!かっけーっす!」
河西は話すことは好きだが、うまく伝えられないことが多い。
「へー。最近の知り合いか?」
「そっす!俺もそんなふーになりたいっすよ」
「河西は怖いやつになりたいわけか?」
「違ってー奥さんを守るんすよ!先輩はどうしてるんすか?」
「は?俺の嫁はナンパされねーよ」
「えー!?もうおばちゃんだから?」
「そ、おばちゃんだから」
「…先人の奥さんもおばちゃんだからナンパされないのかぁ。でも、俺おばちゃんはやだなー」
年上ってことか?
「てめぇもじじーになるぞ?俺みたくな」
「えーやだー」
「はいはい。河西、さっさと仕事戻れ」
「うーすっ!」
河西は、話しながら行動するのを苦手とする。だが話したがりだ。うまく利用してあげたいが。
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