連載第3回、「神波大成 単独」

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連載第3回、「神波大成 単独」

2016年、3月29日。  国内における『デスラッシュメタル情勢図』のようなものがあれば分かりやすいのだが、実際はそんな都合の良い資料は存在しないし、業界はとても流動的で、虎の巻のよう確定的なデータがあるわけでもない。デスメタルの持つブルータリティと、スラッシュメタルの持つスピード感と緊張感を掛け合わせ、爆走するメロディと野獣の咆哮にも似た絶叫、超絶的な技巧を要する神がかった演奏を駆使し…とそれらしい言葉を羅列するのは容易だが、ではそういったバンドの名前を全て書けと言われると困難を極める。海外で有名な所だと「THE CROWN」「AT THE GATES」「DEW SENTED」「Impious」「Carnal Forge」と言った具合に書き連ねていく事は出来る。ではそう定義されていないバンドの名前を上げて、例えばスピードメタルバンドのこの曲は違うのか、その逆でAT THE GATESのこの曲はそこまでデスラッシュじゃないのではないか、と問い詰められると答えに窮してしまう。  ましてや本場でもない日本という島国においては、何をかいわんやである。 しかし嘆くなかれ。ここへ来て我々は偉大なる一つの解答を手に入れた。 「デスラッシュって、どういうバンドがやってる音楽を指すんだ?」  今後そういった質問をされる幸福な機会に恵まれたなら、どうか胸を張ってほしい。 「答えは簡単だ。ドーンハンマーのアルバムをどれか一つも聞いてくれ。それが答えた」  そう宣言出来るのだから。  まずはベーシスト、神波大成に話を聞く事が出来た。 いきなりの余談で申し訳ないが、初めて彼を見た時は疑いもせずハーフなのだと思い込んだ。バンドマンとしての彼の実力や懐の深さだけを見て、内面の魅力を全く知らない人間が初めて彼の前に立つ時、おそらく10人が10人とも「男前だな!」という感想を持つだろう。常にサングラスを掛けているせいで表情の読みにくさはある。しかし話せば話す程、彼の魅力の虜になっていくのが自分でも分かった。彼はこのバンドにおける音の屋台骨を支えている、という事も特筆すべき点であり、楽器、録音機器類に関して誰よりも博識だ。 まずはそんな彼から見た、芥川繭子についての印象を聞いてみた。 -- まず、一言で言い表すとすれば? 「繭子を? …まあ、天才だろうね」 -- それは、例えば身近にいる伊澄翔太郎という天才と比べても、その表現が出て来るくらいの、という意味ですか? 「はは。まあ、そうだね、あいつとはまた質が違うと思うけどね。翔太郎は天才というか、…なんだろ、そういう人? そういう存在? 天才とか才能どうこうじゃないところにあいつの凄さはあるというか」 -- 身内に称賛を惜しまないですね。 「腹立つけど事実だからね、褒めてるつもりもない。ただ繭子は、あいつは、うん、才能の塊だね。同年代であいつより巧いドラム叩く奴は見たことないし、世界でも十分戦えるもんね。まあ、パワーだけとか速さだけとかなら上がいるとは思うんだけど」 -- 一番の魅力は? 「魅力(笑)。…やっぱ純粋に上手いよ。いつもそれは思う。まあ、気持ちの上で翔太郎とタッグを組んでるからってのもあるけど、ここ2、3年は繭子もノーミスで叩いてるんじゃないかな。あとは突撃のイメージで、せーのっ!って音出した時の、背中にバシバシ来る熱量は年々気持ちよくなってるね。テクニックと感情を丁度いいバランスで音に出せるから、やっぱり上手くなったなあって思うよ」 -- ほとんどの場面で、自分の出したい音を相談なく出せるようになってきたと、以前弊誌のインタビューでお答え頂いてましたね。 「それも大きいね。自分の叩く音と周りの音の重なりとか、厚みとか音色に関してほぼ自分のイメージ通りに叩いてるって言ってたからね」 -- やはり凄いことなんですか? 「高速道路を200キロオーバーで走る車4台でアクロバット走行してみろって言われてさ、完璧に車をコントロールできますよって笑って断言するようなもんだよね」 -- あー、それは天才ですね(笑)。先程の、気持ちの上で伊澄さんとタッグを組んでいるというのはどういう意味ですか? 「目線の話かな。打ち合わせてるとかではないんだって。でもうちのリズムの基本はやっぱり翔太郎だからね。仮にあいつがギターソロ弾いて竜二がメインリフに回った時ですら、やっぱりなんだかんだで翔太郎の音を聞いて合わせちゃうくらいだからね。俺はそれを崩す役回りも多いから、どうしたって繭子はあいつの音を頼りに聞くじゃない。そこを頼りに叩いてんだから、翔太郎が完璧超人な分、繭子も上手くなるよそりゃ。もちろん本人の努力と才能もあるけど」 -- ノーミスってすごくないですか。練習でもそうなんですか? 「そうだね、うちはほぼ皆そうだけど。それでも特にあの二人は凄いと思う。もちろん譜面の上でっていう意味で、本人らは色々課題を持ってやってるみたいだけど」 -- ちょっと想像を絶する話ですね。デスラッシュにおけるノーミスってあり得るんですね。 「そんな奴一杯いるって(笑)。長い事バンドやってて、今でもスゲー間違えるんですよねって言う奴の方がイカレてるだろ」 -- いやいや、ノーミスですよ? 「いるって」 -- いないと思いますけどねえ。逆に、ニューアルバムのインタビューでも、難しい曲構成考え過ぎて本番弾けないんだよねえっていう話を良く耳にします。 「意味が分からない(笑)」 -- あはは。今年で20周年ですが、何か感慨深く思うことなど。 「ないね」 -- 何もですか?(笑) 「ないねー」 -- そうですか。では、アルバムの話を聞いても良いですか? 「どうぞ」 -- 曲は全員で作ると聞いていますが、歌詞もメロディも持ち寄りですか? 「そこから聞くんだ!?」 -- すみません、聞けることは全部聞こうと決めてまして。 「なんで今更?」 -- ドーンハンマーの全てがここにある、っていう言葉をどうしても使いたくて。 「あはは、なるほど。面白い人だね」 -- 誉め言葉ですよね?ありがとうございます。 「歌詞は竜二しか書かないよ。自分が歌い易いように書いてるんだろうし、内容は知らない」 -- 知らないと言うのは、読まないという事ですか? 「(頷く)」 -- 全くですか? もしかしたら今自分は悪魔崇拝についての曲を演奏しているかもしれない、と思うことはありませんか? 「(爆笑)。面白いね、それもアリだね。というか、どうでもいいよ。曲が格好良く作れるなら、何崇拝でもいいし、竜二が何を叫んでいるかも興味ないな」 -- えええ(言葉にならない) 「大体伝わるじゃない、あいつが体全部を口にして絶叫してるのを見てれば、意味は分かんなくても喜怒哀楽のどれかぐらいは、なんとなく」 -- なるほど。ではまず竜二さんの歌詞ありきで、メロディをつける? 「逆。曲があって、テンポを決めて、歌詞だね。全員で作るって言っても自分のパートを自分で考えて、合体させた時に、それやめてとかここもっと長くやらせてとか、言い合いしながら形にするパターンがほとんどだね。だから常に録音しながらやるし、なかなか完成しない。完成しても、思いつきですぐに変わる」 -- ああ、それも聞いた事があります。昔から存在する曲が、今は全然違う長さの曲になってるとか。 「そうそう、気に入ったリフだけ生かして、テンポも歌詞も変えた別の曲になったのが一杯あるよ。でもタイトルとリフが同じなら、ファンは受け入れてくれるから面白いね」 -- 何かのインタビューで、常にリズムを壊そう、変えてやろうと企みながら演奏しているのがアナタだと伺いましたが 「そうだね。翔太郎が失敗しない分、同じ曲をやっていてそこで満足しないように、足元をグラつかせにかかるのが好きなんだよ。まあ、全然グラつかないんだけどね」 -- ちょっと想像のつかない駆け引きですね。進んで失敗を誘おうとするんですか? 「失敗というか。…例えばドンドンドンドン、ドドドド、ドンドン、というリズムを繰り返すとするじゃない。そこをドドドドドンドン、ドドドドドンドン、という弾き方に変えちゃうと、まずギターのリフとは尺が合わないわけ。うちぐらい速い曲をやってると。それでもあいつは」 -- 揺らがない? 「揺らがないんだよ。でもそのおかげで、あれ、こっちの方が合うな、格好良いかもなって思えたりするんだよね。そうなるともう戻れないというか」 -- 正解がそっちになるわけですね。 「そう。人のミスを誘うというより、さらに格好良い方向へ変えて行きたい衝動は常にあるよ。繭子で言えば最初はめちゃくちゃ怒ってたけどね、単純にやりにくいって。最初は全員の音ちゃんと聞きながらやってたみたいだし」 -- それはそうなりますよね(笑)。 「今はもうなんだろ、仮にモニターが死んでて全然返りがなくても、動きだけで合わせられるとか言ってるくらいだから、上手くなったんだなってやっぱりそこに行きつくね。あれ、アルバムの話するんじゃなかった?」 -- そうでした。目下の最新作は昨年発売の「P.O.N.R」ですが、何故今このタイトルに?(ご存知のようにタイトルの意味はPOINT OF NO RETURNである) 「うーん。そんなに深い意味はないと思うけどね。もう40過ぎたしさ。なんとなくここへ来てこのバンドの初期衝動というか、考えてた場所には大分近づけたし。ここまで来たら、じゃあもうこのまま行こうか、そろそろっていう空気ではあるね。バンド全体が」 -- ああー。なんか、すみません、私ちょっと泣きそうなんですが。 「え、どうして」 -- いや…。 「何だよ(笑)」 -- やっぱり色々あったのは存じ上げていますので。 「色々って?」 -- うふふ、ええっと。 「気持ち悪。何。え、…アキラの事?」 -- そうですね。もちろんアキラさんもそうですし、芥川さんのこれまでの思いであるとか、皆さんの思いなどを勝手に想像してしまって。私アルバムタイトルを知った時、色々と感極まって仕事中なのに涙出たんですよね。 「あははは! 面倒くさい人だなー(笑)。まあ分からなくはないよ、そりゃ俺らは当人だしね。確かにうちの音響組とかスタッフなんかも、おおお、って妙に盛り上がってた気がするし」 -- 絶対皆さんそれぞれ、色々と思う部分がおありだったのだと思いますよ。 「まあまあ。ありがたいけどね、そうやって外の人が忘れないでいてくれるのは。うちのスタッフも、スタッフって言いながら普通に昔からのツレだから、そもそもが忘れてなんかないわけだよ。いまだに過去じゃないというか。これは繭子にどう聞こえるか分からないけど、うん、アキラは別に、全然死んでないと思ってるからね。…あ、スピリチュアルな話じゃないよ?」 -- あはは。…あー、駄目だ(涙)。 「…目が(笑)。でも改めて言葉にして、外に向かってそう言うと時枝さんみたいな反応になるんだろうけど、俺達の中では多分ずっとそうなんだよね」 -- そうですよね。あの、こんなんなっちゃってアレですけど、折角なのでもう少しアキラさんのお話をお伺いしても平気ですか? 「いいよ。別にNGでもタブーでもなんでもないから(笑)」 -- ですが皆さんにとってとても大切な部分だと思いますし、現ドラマーである芥川さんのお気持ちを思うと、勢いでそこを掘り下げて行くのはどうなのかなと。 「ありがとう。でも全然関係ないよ。アキラと繭子も、知らない間柄じゃないしね」 -- 初代ドラムスのアキラさんがお亡くなりになってから、芥川さんが加入するまでの期間がとても短かったように、バイオグラフを整理していて感じた記憶があります。 「鋭いねえ。そうだよ。短いというか、ほぼ入れ替わりだからね」 -- でも、抵抗はなかったですか。キャリア、性別、年齢、全てが違います。 「それもあるし、アキラは俺らの幼馴染だしね。物心ついた時には4人揃ってたから。だから、…問題はそこだよね」 -- 普通は割って入れない関係ですよね。 「そうだよな」 -- バンドを続けるか否かの選択だったと思います。 「まあ、考えなかったって言うとウソになるな。でもそれはもっと前から、アキラがいなくなったら、このバンドどうなるかなーって考えてた事ではあるからね」 -- それでも芥川さんを選んだ。 「うーん。難しい話だな。何にせよ感謝してるよ」 -- 「365歩のマーチ」どころではないですものね。ほぼスタート地点に戻るような気持ちだったのではありませんか? 「いやあ? 繭子、頑張ったからね。そんなに足踏みの期間はなかったよ。ただほら、表に出るまで時間かけたからそう思われるけど、あいつはあいつで異常なぐらい叩けたからね」 -- そこも奇跡的な巡りあわせですよね。 「本当そうだよ。アキラがこの世を去るタイミングで、俺達の目の前には繭子がいて、信じらんないぐらいボカスカ叩くんだもんな。そりゃ今と比べれば全然粗削りではあったけどさ、でも心底ビックリしたもん。それぐらい叩けた。それがしかも女の子で、高校生で。いやいや、凄いよな」 -- 凄いですね(笑)。ですが皆さんの中にあった凄まじい葛藤とはどのように向き合われたのでしょうか。 「葛藤ねえ。…無いわけはないよね。ずっとそこに座ってたやつが今はいなくて、そこにこないだまで制服着てた女の子が座ってんだもんな。ただアキラの事はもう、その時には考えないようにしたな。あいつはあいつで、思い出は思い出で、俺達の今はここなんだって思うしか仕方なかったしね。今ここにいるのは繭子だし、これで良かったんだよきっと。感謝してる」 -- 彼女への思いを語る神波さんの顔を見ていると、また涙が出てきました。 「ホントに泣いてるじゃない(笑)。なんか聞いてた話と違うなあ。ただミーハーな記者が繭子を追っかけにやってくるって聞いてたんだけど、意外とバンドの事もちゃんと知ってるし、びっくりした」 -- ちゃんと知ってますよ(笑)、ファンですから。もちろん完璧にリアルタイムで追いかけて来れたわけではないですし、芥川さん切っ掛けでこの取材を企画した経緯を見ると、ミーハーなんですけど。 「何だっていいよ。聞いてくれたら、それだけでありがたい」 -- うー、ちょっと涙拭きますね。…芥川さんの件でお伺いしてみたかったのですが、メンバーの一人が女性ということで、意図しない弊害のようものはありませんか。この10年で大分解消されたとは思いますが。 「俺は特に弊害と感じる事はないかな。それはあいつ自身が嫌という程味わった屈辱だったり、例えば織江が他所でマネージメントの話をする時にそこばっかクローズアップされたりって話は色々聞いたけどさ。バンドとしてのクオリティはきっと上がったんだと思うしね」 -- 海外だと女性が混じっている事がマイナスに捉えられる事はほとんどありませんが、それでもドラムというのは今でも珍しいですよね。 「まあ、それも全てはあいつの頑張りだろうね。だから音源だけ聞いて分からないから、向こう(海外)でも叩いてるのこいつだよって言うとワオ!って言われるじゃない。それが今では楽しいし、面白い。ちゃんと才能と努力が形になってるから」 -- 直して欲しい所や欠点などはないと? 「そりゃ色々あるよ。何言ってんの、全然話が違う」 -- そうなんですか?大絶賛されてるから、てっきり理想形に近い完成度なのかと。 「うーん、音楽的な欠点はそこまではっきりは分からないけど、人としてはやばいよ、あいつ」 -- ええ?そうなんですか? 「うん、言っていいか分からないから本人に聞いて。人として色々やばいって言ってたって伝えて構わないから」 -- 今から楽しみでしかたないです。それでは今のバンドの現状についてなのですが、去年は海外でのライブが増えましたね。戦略的な意図があったんでしょうか? 「そんな大層な事でもないけど。去年アルバムが完成した時に、自分達の中でエンジン掛けたというか、掛かったというか」 -- 作品の出来次第だったと? 「どこかでそろそろだろうなっていう思いは皆あったと思うね。年も年だし」 -- 世界に打って出るに相応しい作品が出来たと。 「そのつもりだよ。完成度云々っていうより、向こうの、本場のキッズの前でプレイするならこういう曲だろうよ、ってのを詰め込んだ」 -- 凄まじい爆走と轟音で最後まで突っ切るイメージです。 「こういう事をやるためにひたすら鍛えてきたっていう思いはあるからね。若すぎても、あの音は出せなかったんじゃないかな」 -- 手応えはありましたか? 「そうだね、あったね。うん、この商売次があるかどうかが全てじゃない? そういう意味では、何度も声をかけてもらって今があるわけだから」 -- 今年はずっと日本ですか? 「そこは織江の考えみたい。ちょっと行き過ぎたというか、呼ばれればどこでもやったのが去年で、今年はちょっともったいぶってるみたいよ。日本でやらなきゃいけない事多いみたいだし、来年は更に、また向こうでイわしてくるよ」 -- 同伴します。 「同伴て?」 -- 同行して現地取材させていただく予定です。 「ワールドツアー? あんたんトコでやるんだ。 へー、知らなかった。じゃあ、テンションの高い記事期待してるから」 -- もちろんウチだけではないと思いますので、その分気合入れて頑張ります。今日はお時間ありがとうございました。またよろしくお願いしますね。 「はいよ。一通り回って色々話聞いたらまた来て。他の奴らが何て答えるか知りたいし」 -- 分かりました。真っ先に。  とても意外で幸せな時間だった。  ドーンハンマーにおけるビジュアル担当と言っても良いくらいのハンサムガイだ。寡黙でストイックな音マニアと呼んで差支えない程音楽通の、ハンサムガイ。(録音機器類の話なども聞かせていただいたが、今回は割愛)  その神波大成がこれ程穏やかで話しやすい人だったとは、見た目だけでは到底知りえなかった事だ。普段メンバー同士で話をしている時などは池脇や伊澄に発言権を譲りがちなのだが、一対一ではとても丁寧に自分の気持ちを言葉にして伝えて下さる紳士だった。  そして個人的な感情を差し挟めば、何度もこの日のインタビューを見返しては涙した。いずれもっと明瞭なシルエットを伴って登場していただく予定だが、このバンドを語る上で欠かす事の出来ない人物の名前が、初めて登場したのもこの日だった。  彼の名は、善明アキラ。  ドーンハンマーの創設メンバーであり、初代ドラムス。そして芥川繭子の師匠でもある。病に倒れ、志半ばで短い人生を終えた彼の存在は今尚しっかりとバンドに生きている。その言葉を聞いた時、私はどこかでこの密着取材の成功を無意識に感じ取っていたように思う。そしてこの日、神波大成の口から彼の名前を聞けたことで、このバンドを掘り下げていく道がしっかりと開けたと思った。大袈裟な表現かもしれないが、彼らの道程を辿る許しを得た気がしたのだ。
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