第十九章 時と共に死す 四

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第十九章 時と共に死す 四

 市子を探そうとしたが、坂之上が匿っているようで、千手であっても捜し出す事が出来なかった。 「樹来々、市子の居場所は分かるか?」 『坂之上家のいずれかにいると思われますが、はっきりと分かりません』  表の映像には映っていないので、どこかの家にいる筈だという。 「あの、狸親父」  宝探しをさせておいて、その間に新しい跡目を作っているなど、本当に坂之上は食えない親父であった。しかも。その相手が、坂之上の子供のような年齢の市子という事も許せない。  市子は俺と血縁関係にあるわけではないが、絵里香のボディの細胞を使用している。だが、完全に実験されていた後遺症が無かったわけではなく、限りなく人間に近いが、人間ではない子供が生まれてくる可能性が高い。
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