第一章 散るならば春に

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「……地下社会に行って来いということですね?」 「何が起こっているのか、調べて来て欲しい」  それだけならば、今でも報告書が書ける。俺が壬生に指示を出し、そのまま去ろうとすると、御堂がマイクロチップのようなものを投げてきた。  俺はマイクロチップを受け取ると、光に当ててじっくりと見てみた。これは、地下社会で製作されたもので、人体に埋め込み使用できる。これを埋め込まれた人間は、知らず知らずの内に、脳内の情報を全て送信されてしまう。 「いい造りだ……でも、使い捨てなのか……これ地下社会の製造で、かなり高性能だ……これを作れるのは、数人しかいないな」  俺の地下社会での幼馴染がいる、ショップ鉄吉に出して、どこの製造なのか調べて貰おう。 「性能とか製造元を調べて欲しいのではなく、これは誰が埋め込んだのか、いつ埋め込んだのかが知りたい」
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