第一章 散るならば春に

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「夏目、すまないが、御堂警視監にも情報を流せ。それで、本村の手助けが貰える事になっている」   相馬は真面目な話を打ち切ると、カメラを出して俺を撮り始めた。 「しかし、可愛い!!!!本村の所に、養子に取られたのが悔しい。この髪はどうした?自分で切ったのか?」  俺の髪は真っ白であったのだが、最近、少し色味が出てきた。その色が水色で、髪の色としてはあり得ないと、検査に取られてしまったのだ。それで、耳あたりから下の毛が刈り取られて、上が長い状態になっている。   上の髪はしばり一纏めにしていたが、やや伸びてしまっていた。 「……しかも、その考え込む時の仕草が、前の夏目と同じで、失ったものの大きさを感じるな」 「……俺は死んでいませんよ」  元は大人であったが、髪の色は水色ではなかった。この体は、完璧にコピーされているわけではなく、所々違いが出ている。
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