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知らない家で迎えた朝は、寝ぼけた頭を目覚めさせるのに時間がかかった。
そうだ。
ここは、17年間住んでいた家でもなく、親戚の松下さんの家でもなく、出会ったばかりのクラスメイトの男子のアパートだったんだった……。
今日も、父は私からの電話に出てくれない。
コール音が何度か鳴った後に、馴染みの留守番電話サービスの声が耳に届いた。
どこにいるんだろう。
どうしてるの?
少しだけでもいい。
声が聞きたいのに。
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