火曜日*ふたり暮らしをはじめます。

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* 学校について、靴箱のところで上履きに履き替える。 「職員室は、あっちだから」 浅羽くんは廊下の向こう側を指さすと、すぐに反対方向へ足を進めた。 「ありがとうございます」 「だから、それはやめろ」 私が腰を曲げて頭を下げると、振り返りもしないのに、浅羽くんはまるで私の行動が見えていたかのような怒り方をした。 面倒くさそうに、それでも優しい人。 女の子たちが彼に惹かれる理由は、容姿だけではないのだろう。 私は、「よし」と気合いを入れて、職員室に向かった。
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