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「はあ。まったく。なんなんだ一体。一気に疲れたな……」
髪をぐしゃぐしゃと搔き乱す。
恭助が寝てしまい、知絵もいなくなったこの広すぎる部屋は、先程までとは違って見えた。
知絵が居なくなると、急に心細くなるのは、子供の頃から変わらない。
見もしないテレビをつけて、時間が過ぎるのを待っていると、ぺたぺたと足音が聞こえてきた。
知絵は、念入りに肌のケアをしてきたのか、すっかりつるつるぴかぴかになっていて、頭にタオルを巻き、湯上りリラックススタイルだ。
上機嫌で脚のマッサージをする準備をしている。どんなに疲れていてもかかさないそれに、女子力というものを感じた。
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