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そわそわしながら一日を過ごしていた私とは違って、夏樹はいたっていつも通り。
佐奈が帰るのを見送ってから、何故か異様にゆっくりと、中庭へ向かう。
春斗には、結構前にメールをしたが、一切返信がない。
「どうしよう。告白なんてされたら……」
勝手に妄想して、勝手に照れる。
「知絵ちゃん。お待たせ」
「あ、いや、私も今来たところだから……」
爽やかに現れた夏樹は、いつもと変わらないのに、今日は男性として意識してしまう。
「で、何か用?」
つい、素っ気なく言ってしまった。
「ああ。知絵ちゃんは気付いていないと思うけれど、僕は君の事を好きになってしまったみたいなんだ」
何でもない事のように、さらりと言われたその言葉は、私の心臓の音を一気に速くした。
「僕と付き合ってくれないかな?知絵ちゃん」
「……本気で言ってるの?」
「こんな事冗談で言うやつなんているかい?知絵ちゃんは天然だなあ」
にこにこ笑っているのが少し怖い。
「ごめんなさい。さっきも言ったけれど、夏樹とは友達でいたいし……」
「じゃあ、春斗君といることを選ぶの?」
「え……?」
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