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シャワーを止める。 なおも何かを呟いている弟の死体を無視して、シャワー室を出る。 またも乱雑な廊下を通り、狭いリビングに入った。 自分が書いた記事や、取材に関係する書類がところ狭しと貼ってある壁。 その中に一枚、昨日まで無かった写真が貼ってあった。 有名な政治家、マーリンウェイトの顔写真だ。 ベイカーは記者として、何度か彼を応援する記事を書いたことがある。 その写真には生乾きの血文字でこう書いてあった。 「祖国の仇」 ベイカーはため息をついて、写真を剥がすとビリビリに破いた。
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