彼の憂鬱な日

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スニーカーの紐を結んでいるとふいに視界が揺らいだ。朝食を抜くことが多々あるため、それによる体調不良がよく起こる。

しかし、ここ何週間かのそれはいつもと違うように感じた。思い当たる原因はないものの、夢と現実の間で聞いた金属音は決して頭痛のためだけに引き起こされたものでなく、昔から忘れられない記憶によるものであることを僕は知っていた。