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衝撃は突然に。
唐突だが、僕こと狭山芽衣は、今まさに彼氏の冨樫信幸くんの秘密を目の当たりにしてしまったところだ。
え、ど、どうしよう?
とんでもないことをしたのかも知れない。
部屋の隅でスラッとした長身を小さい子みたいに縮めて、ただ呆然として、ベッドの上からその丸まった背中にかける言葉を探す僕を泣きそうな顔で見上げてくる信幸くんに、胸が痛くなる。
戸惑う僕に信幸くんは、いつも聞いている快活そうな声が嘘のように弱々しく、「だから、マフラーを取らないで、って言ったのに……」と呟いただけ。
僕は、僕の膝の上からそう訴える信幸くんを、ぼうっと見つめていた……。
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