367人が本棚に入れています
本棚に追加
バスルームから出ると、リビングから物音がした。
「え?」
今この部屋には、誰もいないはずなのに。
「まさか、泥棒?」
鉄壁のセキュリティを誇るこのマンションに、侵入者が?
念のため、バスタイルを磨くための柄付きブラシを手にして、郁実はそっと進んだ。
侵入者は、堂々とソファに座ってくつろいでいた。
「颯真さん!?」
「ただいま、郁実」
帰宅は2日後だったはずじゃ!?
「ちょっと監督と揉めちゃって。帰ってきちゃった」
そんな、と郁実はソファに寄った。
最初のコメントを投稿しよう!