367人が本棚に入れています
本棚に追加
「颯真さん、仕事を選ばないのが信条だったんじゃないですか?」
「うん、そうだった」
過去形!?
会話半ばで、颯真は郁実にキスをしてきた。
「そ、そうま、さ……」
湯上りの、温かな郁実の舌を、颯真はじっくりしゃぶって来た。
唾液を絡め、甘いキスをする。
郁実もまた、颯真の舌を夢中で吸った。
会いたいと、切ない気持ちを持て余していたのだ。
これ以上の嬉しいサプライズは、なかった。
ゆっくり唇を離し、颯真はかすれた声で言った。
「やっぱり、ダメだ」
「何が、です?」
「郁実以外の誰かと、今みたいなキスは、もうできない」
最初のコメントを投稿しよう!