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干されるかもしれないな、と思った。
芸能界に、俺の居場所はなくなるかもしれない。
「ね、郁実」
「はい」
「俺が事務所クビになったら、郁実の店で雇ってくれる?」
「何、縁起でもないこと言ってるんですか!」
だけど、可能性が無いわけじゃない。
それでも颯真さんは、僕を選んでくれたんだ。
胸が、いっぱいになった。
そんな郁実を、颯真はぎゅうと抱きしめてくる。
「な、郁実。結婚、しようか」
「え……」
「お父さんの喪が明けたら、結婚しよう」
「う……」
「ん?」
「う、うぅ。うぅう……」
泣かせてしまった。
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