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なるほど、とは言ってみたものの、颯真のプライドはどんどん傷つけられてゆく。
震える手でカップを持ってコーヒーを飲んでいると、こんなことまで言われてしまった。
「だから、ただイケメンなだけのアイドルの人なんかだと、全く判んないんです」
思わず、コーヒーを吹きそうになった。
この少年、俺を捕まえて『ただイケメンなだけのアイドルの人』と!?
息子の失言に気づいたのか、マスターが慌ててフォローしてきた。
「お前、大河ドラマ夢中になって観てたじゃないか。主役の『南 慎二郎』は、五条さんだぞ?」
「え!? そうだったんですか!?」
「いや~、参ったね」
時代劇だったから無理もないよ、と颯真は自分で自分をフォローした。
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