震えるいのち

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震えるいのち

あの時あなたがわたしに話しかけて来なければ良かったのに わたしは遠くからず~っと見ていられた それだけで幸せだった あの時あなたはわたしを抱きしめるべきではなかったのに わたし達の罪があの人を狂わせ始めた それでも幸せだった あの時あなたはわたしを連れ出すべきではなかったのに わたしはあなたとの生活を夢見てしまった それが幸せだと思った あの時あなたはあの人に最後まで嘘をつき通すべきだったのに わたし達の罪はもうあの人を止める事は出来なかった わたしはあの人の罪を許したのに だから幸せを求めた あの時あなたは何としてもわたしを守るべきだったのに 招き入れたあの人はもうすでに人では無くなっていたから... それでも幸せを手探りした あの時わたしの意識が薄れていく中で伝えるべきだったのに わたしに宿った小さな命には罪はなかった そしてあの人は昔...わたしが愛した人も奪った事を だからわたしの命がなくならないよう必死で...もがいたのに だけど苦しみの中で言葉に出来ず言えなかった それでも伝えたかったのに.... 罰を受けなければ幸福になれない理由を
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