深い底

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次の日泉先輩から連絡が来た。 「言ってくれればすぐ教えてあげたのに。『プラチナ』を勝手に辞めた子でしょ。そういうのも飛ぶっていうんだけど、働いてないのか夜フラフラ 歩いてるのよく見かける。なんか危なっかしい子だね」 今日出勤前一緒に街中を見張ろうということになって少し早く事務所を閉めてから待ち合わせの場所に行った。 懐かしい先輩の姿を久しぶりに見た。 「おはよう!元気してた?」 前より少し明るい感じになった泉先輩。 「ご無沙汰しています。すいません付き合わせてしまって」 「俺は全然大丈夫だよ。シンさんにも連絡入れといた。あの人のほうがホスト業界に顔きくから俺たちのボディガード。じゃ行こう」 歩きだすと先輩のスマホが鳴る。 「見つけたよ。男の人とごはん食べてるって。同伴かな。これで入り浸っている店と担当ホストがわかるね」 動くと早い。街中同業者ばかりだから情報はすぐ駆け巡る。 「先輩元気になりましたね」 「シュウ君のほうが変わったよ。すごい大人っぽくなったし頼りがいがある感じ。一緒に働かない?・・・て、桐崎さんに怒られるね」 先輩と一緒に歩いているとたくさんの視線を感じる。コートの裾を翻しながら速歩きで進む二人は違和感があるのだろうか。
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