深い底

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そんなに高級じゃないレストランから出てきた二人を見つけた。その後をゆっくりつけて行くと前の道からシンが二人の横をすれ違ってこちらに来た。 「あのビル。地下の店」 指をさす方向は全体が派手な外装のビルだった。 閉店時間まで待つのだろうか。 「この情報だけを依頼者のアイツに教える。後は自分でやらせるよ」 「やる気があればこんなのすぐわかりそうなものなのに」 泉先輩がくすくす笑う。 「でもシンさんやシュウ君に再会できたのでよかった」 「うまくなったねえ泉クン。すっかりイケナイ男になっちゃって。ところでメシ食った?」 「まだです。おなかすいたねシュウ君」 シンと合流して緊張がとけた瞬間から空腹を感じていた。 「先輩、時間は」 「同伴だと連絡しておけば少し遅れてもOKなの。シンさんよろしく」 「おねだりも上手になってさ。なんか食ってから泉クンの店で飲みますか」 寒空の下探偵まがいの追跡劇をして心底冷えた俺たちはおでん専門店で桐崎とも合流して体を温めて、俺は人生初のホスト店に行った。 シンがいればだいたい顔パスできるので人脈は大切だなと思った。そこまで大袈裟ではなくても昔なじみの人と再会するのは懐かしかった。
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