不穏

11/12
前へ
/49ページ
次へ
「知りません。 そもそもそんなに親しくしてるわけじゃないし…」 はあー、 と彼女が大きく息を吐き出し渡会先生も困り果てたように言った。 「僕も彼に伝える事があったのにタイミング悪いなあ」 「伝えるって何よ?」 「フレディの彼女が見つかったって。 桐生先生から彼にも教えてやれって言われたのにその矢先だもん」 「フレディの彼女ですって?」 ドリスは驚きを隠せないようだ。 「何も聞いてないわ!」 「フレディがカンパニーに入ったのはその女の子を捜すためだったみたいだね」 ヒロト君が偶然助けたあの人。 葛城さんが手を尽くして彼女の身元を突き止めた。 「まさかこんな事になるなんて…」 「単なる急用であって欲しいよ」 私たち三人は彼を思いそれぞれため息をついた。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加