白いリアル

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白いリアル

目覚ましがわりのスマートフォンが鳴った。 私は現実の方で目を開き、ゆっくりと毛布を体からはいだ。 「あーあ」 日曜日の朝はバカバカしいほど憂鬱。 おしゃれを意識して、パイン素材の家具で統一された部屋は、逆に子供じみたありふれた色合いになった。自分の人生みたいな雰囲気。起きて目に飛び込んでくる最初の風景がこれ。 だいたい土曜日の夜に、ナンパして引っかけた男や女と、ちょっと騒いだあと、疲れて眠るのが午前二時。ちょっと後悔して起きるのが日曜日の朝……。 私は自分をバイセクシャルだと思っていた。誰とでも愛し合える、汎用型のマルチボディだと。 でもそれも面倒になってきた。愛とか体とか、枯れてきた気がする。
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