第五話「再会」

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おじいちゃんの兄弟は、さすがに体の調子が優れなくて、来れたのは叔父さんや私の従兄弟たちがほとんどだった。 私たち家族五人と、大阪の伯母ちゃん二人、同じく大阪の従姉のMちゃん。兵庫の叔母ちゃんに、その息子のT君とM君、それからM君のお嫁さん。京都の叔父さん。北海道からも、従兄のH君が駆け付けてくれた。すべてとは言えなくても、出来るだけたくさんの……学校や会社の関係で明日のお葬式には出られない人がほとんどだけど、みんな時間を作って駆け付けてくれた。それだけで、私は嬉しかったから。   お通夜の説明を受けてから、式の開始時間までは四十分もあった。私たちはそれぞれ、久し振りの再会の会話を楽しむことにする。   「T太ったなぁ。」   「いや、兄ちゃんも太ったやろ。」   T君を見て笑う次男を嘲笑う。私から見たら、どっちもどっちだ。T君は確かにかなり太ったが、身長は高い。私の二歳下というだけあって、顔にもまだ幼さが残っていた。 それに対し、次男はどうだ。身長は遺伝のせいか小さいし、T君ほどではないが確実に太った。おまけに、昔はかっこよく感じたその顔も、今やおっさんの仲間入りのように感じる。ダメだな、こりゃ。 ちなみに私はというと、痩せたらしい。「太いイメージあったから、びっくりした」と言われたが……それは、次男が私をデブと呼んでいたせいだろう。確かに昔に比べて少しは痩せた気もしなくはないが、変わってないと言えば変わってない。……複雑だ。   「え、妊娠中?」   「あと1ヶ月よ。」   M君のお嫁さんは、大きくなったお腹を抱えていた。後で聞いたのだが、どうやら女の子らしい。 散る命があれば咲く命もある。そう思うと、少し複雑ではあったが、胸がすっとした。毎日どこかで人が一人死ねば、毎日どこかで人が一人生まれる。昔、そんな言葉を聞いたことがある。……ある意味、生命の神秘だ。   「瑞樹、久し振り。」    廊下でボーッとしながら来てくれた近所の人たちにお辞儀をしていると、ふと横から声を掛けられた。
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