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そんな事を考えていたら、泣きたくて仕方なかった。だけど泣いたら駄目だって言い聞かせて、何度も拳を握り締めながらお通夜を過ごした。
その後、お通夜に来て下さった人たちを見送ってる時、近所の人たちに声を掛けられたりしながら、ふっと何かが切れたように涙が止まらなくなって、みんなが帰ってからも、しばらく泣いていた。
その後、親類のみんなとご飯を食べた。おじいちゃんとの思い出話も少しは話したけど……みんな、私たちに気を遣ってくれたのだろう。私の彼氏の話――家族以外みんな絶対楽しんでた――や、H君の彼女の話、私がお寿司を食べては口を押さえてるのはなぜか、という話で盛り上がった。
ねぇおじいちゃん。おじいちゃんはよく笑う人で、みんなが笑っているのを見るのも好きだったよね。私たちの笑顔は、旅立ちの手向けになりますか?いつまでも泣いて嘆いてるよりも、事実を受け入れて笑って生きる強さを持つ方が、きっと私たちに出来る一番の事だと思う。……私は、間違ってますか?おじいちゃん。
第六話・終
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