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──ごめん、もう会えないんだよ。
高校の卒業式。
俺は3年間思い続けた親友にこう告げた。
その時の彼の顔はみないようにしていたからどんな顔をしていたのかもわからない。
それからの俺は彼のことを忘れるために、そういうサイトで相手を探しては欲望を発散していた。
でも忘れることなんかできなくて、今も俺の好きな人はただ1人。
他の人なんか好きになったことすらない。
「莉央(りお)って、いつもどこか他を見てる感じするよな。そこがいーんだけどさ」
サイトで知り合って、身体の関係になってもう二年になる相手の隼(しゅん)
隼との関係には居心地の良さを感じていた。
想い人ともう会えなくたって隼がいればそれでよかったのは、隼がアイツに似てるからだと思う。
あとくされない関係を築いていた俺が唯一、一度だけじゃなくてもっとと思った相手が隼だった。
お互いに莉央と隼という名前しか知らないし、本名なのかどうかもわからないければ年齢も職業もわからない。
ただわかるのはお互い男が好きだったということだけ。
会うのは水曜日と日曜日の週二回俺の家。
だから隼の家も知らない。
それでも俺は隼と会う曜日が大好きだった。
ひとつだけ習慣があるとすれば、隼の買ってくるスイーツを一緒に食べること。
毎回来る度に色んなお店でスイーツを買ってきてくれることが、俺の密かな楽しみだったりする。
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