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「好きだったからあの日離れた」 「じゃあ........っ「でも、俺にはもう大切な存在がいる。それは縁じゃない」 「俺じゃない........」 「だから、ごめん。でもお前は俺に愛されてきたんだよ。そんなお前が人を傷つけることなんかしないでくれよ。そんなお前を俺は見たくない」 「........莉央」 縁の目が開かれていく。 「莉央にはいつも気付かされてばかりだな。こんなことしてても時間の無駄だって分かってはいるんだ」 「縁、お前は愛されているよ。だから、俺の事を信じて。な?」 「莉央」 縁は親の愛情のほとんどを弟に奪われていたせいで、昔から愛に飢えている人間だった。 そんな縁の元を自己保身のために離れた俺がきちんと縁のことを救い出してやらないもダメだと感じた。 あの時離れずに縁のそばにいたら、こんな風に隼のことを扱うことはなかったのかもしれない。 「お前と付き合うとか、こういうことするとか........もう考えられねーけど、友達としてならもう離れないから」 また違う形でやり直せるなら、そしてそれが隼のことを救い出せることに繋がるならそれでいい。 たとえ、縁が隼のことをきちんと愛せるようになって、俺のところに二度と戻ってこないとしても。
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