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どちらからともなく唇を重ねて、どんどんと深くなる口付け。 「.......んっ、はぁっ」 身体を繋げるのとはまた違うけど、お互いの舌が絡まりあってやめることなんかできなかった。 「俺、しばらく来れないかもしれない」 唇が離れて、一息ついたあとに隼から告げられた言葉は俺の頭を真っ白にするには十分だった。 「.......え?」 結構ショックを受けていることに気づきながらも、あえてそう見えないように振舞った。 「ちょっと仕事でな。ひと段落ついたらまた来るよ」 ポンポンっと俺の頭を撫でて、立ち上がる。 「お、おう.......」 「じゃ、また来るな」 名残惜しい様子もなく、服を着た隼はすぐにこの家をでていった。 ぽっかりと穴が空いたように感じるのは、隼が好きだった親友に似ているからだろうか。 そんな隼に会えないのは、親友に重ねて身体を繋げることができないからだろうか。 どちらにしても俺はいま寂しいと思っている。 ただそれを言うことができないのは、俺と隼の間にはなにもないから。 そもそも、俺と隼はサイトで書いてあった名前しかお互いのことを知らないんだから。
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