第3章:命の叫び

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第3章:命の叫び

地下通路には何ヵ所か出口が設置してあり 俺たちは順番にまわってみたが 何処の出口も雪で埋もれており 引きドアを開けると出口が 雪で完全に埋もれていた。 途中停電してしまったので なんとか懐中電灯の明かりを頼りに 出口を探しまわった。 持って来た食料は缶詰1~2個しかなく 水分も不足していた為 何としてでも外に出なければならない。 地下通路内部は積雪が無いとはいえ 凍える様に寒く身震いする程だった。 どれくらい歩いただろうか。 やっと除雪されている出口を見つけた。 外に出ると朝になっており降雪は 落ち着いていたが風が強く 地吹雪が顔に痛い程吹きかかる。 新宿中央公園の辺りに出た様なのだが 一面雪に覆われており すっかり景色が変わっていた。 除雪された道路でも積雪が 俺の膝くらいまであった。 道の歩道には除雪した雪が2mくらいの 高さに積まれており それが俺たちの視界を(さえぎ)り 見馴れた町がまるで迷路の様になっていた。
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