第3章:命の叫び

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コンビニ店内は外よりは暖かったので 仮眠を取りたいとも思ったが 飲食物の盗み目的で人が訪れる様な 場所では安心して休む事が出来ない。 路上や公園で寝たりすると通行人から 理不尽な暴力を受ける事がたまにある… ホームレスである俺とシンジさんは 暴力に対して敏感になっていた。 他のコンビニにも足を運んでみたが 何処も同じ様な状況であった。 外は寒いが膝まで積雪がある中を歩くのは かなり体力を使う。 身体が汗ばみ風呂にも入っていないせいか 俺は全身が(かゆ)くなる。 「今井さん、歩くペースを(ゆる)めますか? 汗をかいて身体が冷えると低体温症になる 危険性があります。 汗をかかず身体を冷やさないペースで 歩きましょう」 北海道出身だという シンジさんの知識は頼りになった。
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