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第1章:ホワイトアウト
「おい!起きろ」
「このままじゃ死んじまうぞ!」
頬を叩かれて起こされた
俺、今井春馬の視界には無精髭を生やした
おじさんの顔がドアップで見えた。
「わっ!」
驚いた俺は叫び声をあげながら
起き上がった。
「あっ…すみません。シンジさんでしたか」
弱々しい声で俺がそう言うと
シンジさんは安心した様に溜め息をついた。
そこまで親しい仲…という訳じゃないのに
相変わらずこの人の態度は馴れ馴れしい。
何時から此処に居たのだろうか…。
(寒い…まるで冷気が身体に突き刺さる
みたいだ)
起きた瞬間に俺は今まで経験した事の無い
寒気に襲われた。
薄暗い小屋の中をシンジさんが持って来た
懐中電灯の光が照らしている。
昼過ぎに寝たから今は夕方5時過ぎだろうか。
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