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 嗚呼、寒い。そう言えば、何処まで飛んで行っても白い銀世界であることに俺は気づいた。  雪だ。  真冬だ。  俺は温室育ちだから知らなかったんだが、真冬ということは俺が羽化したのは6月だから俺の寿命ももうすぐ尽きる。  それなのに親爺は何かというと俺との隠遁生活に思いを馳せ、俺にその夢を囁いていた。  つまり親爺は呆けていたのだ。♪ちゃんちゃん。  否、そんな落ちで話を終わりたくない。  蓋し、親爺は自分も余命幾許もないことを悟っていたのではないだろうか。  そう、せめて最期の僅かな時間だけでも俺と二人っきりで静かに過ごしたかったに違いない。  嗚呼、可哀そうな親爺。  待ってろ、俺もすぐ天国へ行くから!
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