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 兎に角、寒い。  餌がない。  で、俺は寒さと飢え、それに寿命が来ていたこともあり呆気なく永眠した。  そして目が覚めたら消火器の泡よりも地上の雪よりも白い純白の世界が眼前に広がった。  天国だ。  俺は天使に連れて来られたのだろう、穢れの一切ない白で光り輝いている。  その光は神の栄光であって宇宙にあまねく行き渡り神は何でもお見通しであるが、下界で清廉潔白に生きた者ほど光を受けるので強く光る所もあれば、弱く光る所もある。  俺はその光の中でも弱々しく光っている者に物の哀れを感じて近寄って行った。  すると、なんとそれは親爺であることが分かった。 「やあ!」と俺は思わず声をかけ、自分が人の言葉を喋られることに気づいた。「親爺!俺だよ!」 「おう!ヘラクレスではないか!」 「会いたかったよ!」 「わしもじゃよ!」  そう叫び合った瞬間、俺たちは一段と光を増し、白く光った。  俺たちの落月屋梁の想いが籠った友情の篤さを神が讃美したのだ。
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